みんなでフランスパンを焼く

 6月、ちょうど畑の苗植えは全部終わっているし、まだ雑草もそれほど生えているわけではないし、少し時間的に余裕ができるこの時期ならばいつもよりもちょっと早めに例会の準備を始めることができそうです。
 そのような訳で6月の例会ではみんなでフランスパンを焼くことにしました。

 普通のパン焼きは粉をこねて、しっかりと叩いて、グルテンの粘り気を十分に出しながら2回発酵を繰り返す必要があるので『ちょっと億劫・・・』という気がしてしまうのですが、フランスパンはグルテンの少ない中力粉相当の小麦粉を使って簡単に焼くことができます。
 粉をこねたり、叩いたりする必要はないので力と根気はほとんど要らないのですが2回の発酵だけはきちんと行います。

   
ちょっと新しいことへのチャレンジはそれほど難しくない

    フランスパンのレシピ


 それでは、フランスパン作りをまとめてみましょう。
 (細かいところは『フランスパンのレシピ』をご覧ください)

1 先ずは道具を用意します。

道具といっても難しいものや手に入りにくいものは一つも
ありません。

@ プラスチックボール
A ゴムへら
B 大さじ、小さじ
C カップ
D 秤
2

パンを焼くオーブンは、

普通の電子レンジ機能付オーブン(写真下)
温度調節とタイマーだけが付いたオーブン(写真上)

で十分です。これならばどこのご家庭にもある
でしょう・・・。

3 そのほかの道具としてラップ、幅30cmのクッキング紙、
そして『かみそり』のような鋭い刃物を用意します。


雑誌はクッキング紙ごと生地を移動させる時に使う為の
のパレットです・・・。
4 フランスパンの材料に適した『ソレドォル』という小麦粉
を使います。

塩はまろやかな口当たりの岩塩、
砂糖は上白糖でも三温糖でも使えます。

一番手前のビンは『サフ』というフランスパン専用の
パン酵母です。(サフには高濃度砂糖で発酵する種類と
低濃度砂糖で発酵する種類がありますがフランスパン
には低濃度砂糖で発酵する種類を使います)
5 先ずはソレドォルをボールに200g秤取ります。
小麦粉の200gはできるだけ正確に計ります。

6 次に岩塩を小さじ1杯程度小麦粉にふりかけます。
そして粉の段階で小麦粉と岩塩を混ぜます。
小麦粉と岩塩が大体混ざったらOK、かなりアバウトで
大丈夫です。

7 次にカップに人肌のお湯140gをとります。
お湯の温度はぬるいお風呂(40℃)くらいでしょうか・・・。
次に砂糖を大さじ1杯、更に酵母のサフを小さじ3/4程度
お湯に入れてよくかき混ぜます。
せっかくのサフがダマにならないようにお願いします。
8 次は小麦粉に酵母入りのお湯を投入します。
大さじスプーンで小麦粉全体に水分が行きわたって粉が
さっくりまとまったら生地はOK、こねる必要はありません。

お湯でまとまった生地の入ったボールにラップを掛けて
15〜40分間程度一次発酵をさせます。

生地の温度は35〜38℃程度が適温です。冬場は冷え
ないようにボールを毛布などで包んで保温をするとよい
でしょう。もちろんオーブンの『発酵モード』を使うことも
できます。

9 発酵が進むと生地の体積が増えてきます。
見た目で生地がだいたい1.2倍位になったら一次発酵を
終了しても良いでしょう。

生地にスプーンを当ててみると生地の内部がスライムの
ような滑らかさになっています。
10 ここで一次発酵の終わった生地をスプーンの背中で軽く
何回かつぶすようにたたきます。

ここでもこねる必要はありません。生地の中の気泡を
軽く追い出したらそれでOKです。この工程を『脱泡』と
言います。
11 そして脱泡が終わった生地を30cm四方のクッキング紙
の上に移して四角く平らに延ばします。
小麦粉200gの生地で20cm×25cm程度の大きさに
延ばすのが良いでしょう。
12 もしドライフルーツやナッツ入りのフランスパンにする
ならばクッキング紙に3/4の量の生地を移して四角く
延ばします。

そしてボールに残った1/4の生地とドライフルーツや
ナッツを良く混ぜてソーセージ状に整形して四角く
延ばした生地の中央に乗せます。
13 四角く平らに延びた生地の一方の長辺を生地の中央
まで折り返しましょう。

フランスパンの生地はスライム状ですから整形が困難
です。長辺の折りたたみは一度にはできませんから
ゴムへらやスプーンの背中で何度かに分けて畳んで
いきます。

 片方の辺が畳めたらもう片方の長辺の生地を畳んだ
生地の上に折り重ねるように畳みます。こちらも何回か
に分けて畳んでいきます。

両方の辺が中央で重なったら今度は両端を畳みます。

生地がちょうど『ナマコ』のような形になったでしょうか。

それではナマコの側面がクッキング紙に接触しないよう
注意しながらオーブンに運びます。(薄い板か雑誌を
パレットとして使うと良いでしょう)
14 整形した生地をオーブンに入れたら200〜220℃で30秒
だけ加熱すると庫内がちょうど発酵に適した温度になり
ます。

この状態で20〜40分の二次発酵を行いましょう。


二次発酵が終わったらそのまま220℃で3〜4分間焼き
を行います。
15 これは220℃で3.5分間焼いた生地です。

この段階では表面だけが『カリッ』とした状態のはずです。

ここで生地の表面にナイフで2本の『たて筋』の切り込み
を入れます。
もしクッキング紙が剥離できるようならば剥がしてしまう
方が底の部分がよりフランスパンっぽく仕上がります。

そしてもう一度オーブンに入れて220℃で7分間焼きます。
16 この写真が220℃で7分間焼き終えた状態です。

既にフランスパンらしくなっていますが中の焼き状態を
整えるために更に180℃で20分間焼きます。
17 焼きが終わったフランスパンはすぐにオーブンから
出して粗熱を取ります。

写真奥は水の替わりにコーヒーで仕上げた生地のパン、
手前はオレンジピールのマーマレードを入れたパンです。

粗熱のある状態では表面はカチカチの岩のようですが、
粗熱が取れてしばらくすると外はカリッ、中はほんのり
暖かくてモチモチのフランスパンになっています。

この粗熱の取れたフランスパンが『一番おいしい時』で、
焼いた者だけが味わうことのできる喜びの瞬間です。
18 これはチーズを入れたフランスパン、ざく切りのスモーク
チェダーチーズとモッツァレラチーズを混ぜてたっぷりと
巻き込んで焼きました。

こんな感じでフランスパンを焼くことができます。

パン作り初めて・・・という方、ちょっと新しいチャレンジは
ぜんぜん難しくないですよ・・・!!

『プロ並みの』とは言いませんが、自分で焼いた中がアツアツ
外がパリパリのフランスパンです。

是非作ってみてください。きっとおいしい世界が広がると
思います。





さて、このページを用意している間にファームイン仲間の『きみさん』から嬉しいお便りが届きました。

同じくファームイン仲間のお宅で「フランスパンを焼きました」というメールと写真です。

フランスパンのあるホームパーティー!! 最高ですね・・・。