2004/07/18
ある光学会社の試作品在庫一掃で直径50mm・F1の球面鏡を複数枚入手しました。凹球面の副鏡付です。
つくば星の会で『自作シュワルツ150mm双眼オーナー』の柴原さんにこの鏡のことをお話したら、「グレゴリーなら双眼でしょ!!」と即座に厳しい『お題』をいただいてしまいました。
確かにグレゴリー・カセグレイン式望遠鏡は普通のアイピースで正立像が得られるし、50mmならば目幅的にもギリギリ
だし、柴原さんの『お題』を覆す理由も見当たらないので双眼望遠鏡を目指すことにしました。
さて、実際に望遠鏡を自作するとなると目標設定が重要になります。もちろん、メーカー製では絶対に得られないものが最大の目標なのですが、それが『口径50mmの双眼望遠鏡』ではあまりにも平凡すぎてお粗末です。だいたいからして、50mm・F1の球面鏡なんて球面収差が大きすぎて望遠鏡として使い物になるはずがないことは最初から判っています。
そんなわけで設定した目標は『思いっきり笑ってもらえるエンタメ精神豊かな双眼望遠鏡』ということで、細部の構成を次のようなものにすることにしました。
�� 50mm・F1.0主鏡の光学性能の期待できないグレゴリー・カセ式×2本
�◆�スバル望遠鏡をパロディー化したトラス構造鏡筒
�� 本格的な主鏡移動式合焦機構
�ぁ�十分な迷光防止対策のフード類・内部塗装
�ァ．張．ぅ好汽ぅ困離▲ぅ圈璽垢砲茲詛槊┣鎚�
�Α〆童柔�の高い目幅調節機構
上の図は断面構造のイメージ図です。
この双眼望遠鏡は『最低の光学系』と『自作できる最高の機構』をコラボレーションしてみようというもので、そのギャップの大きさをいかに作るかがポイントになります。
それでは、いよいよ製作です。
材料は例によって東急ハンズを歩き回って探しました。今回入手した最高の材料は「アルミシームレス茶筒(714円)」です。鏡筒としては外径60mmのアルミパイプも購入したのですが、その後でこの茶筒を発見しました。
この茶筒、純アルミの深絞り製で同じく深絞りした蓋も付いています。これは主鏡側の胴とトップリングを作るのに格安・最高の素材です。
その他に、真鍮の50mm丸プレート、10mm銅パイプと9.5mm真鍮パイプ、アルミパイプ数種類、超小型のマイクロメーターも勢いで購入しました。
主鏡移動機構は10mm銅パイプ(肉厚0.2mm)の内側に9.5mmの真鍮パイプが丁度ピッタリ入って摺動させることができるので、各パイプを50mmの真鍮丸プレートの中心部に接合(半田付け)して完成しました。主鏡側の胴の後に取り付ける接眼部は外径28mm、内径25mmのアルミパイプで製作し、茶筒にはアルミロウ付けすることにしました。
写真はアルミパイプを茶筒にロウ付けしたところの拡大です。
トップリングは茶筒の蓋から4本スパイダーもどきを切り出しました。一体物なので結構丈夫です。これにプリント基盤用のM4スペーサーを取り付けて出来上がり・・・・これを手作業で切り出すのは結構大変でした・・・・。
副鏡は直径9.5mm、極小です。最初のイメージ図のように、グレゴリー・カセは副鏡のフードを思い切り長く作れることが判りました。これは迷光防止対策を副鏡セル側でできるということを示しています。そこで、中心部の光量を多少犠牲にすることにして副鏡セルを外形16mmのアルミパイプで製作しました。
それにしても、小指サイズの副鏡セルです。
各ユニットが完成したところで鏡筒に塗装をしました。フェラーリカラーがちょっと気に入っているので近くのDIY店からワインレッドメタリック塗料を購入してきました。でも塗装したら・・・錆止め塗料と間違えそうな・・・イヤイヤ、ワインレッドメタリックです!!
そして、直径4mmのアルミ丸棒の一部を削って接合面を造り、いよいよトラス構造を作りました。接合は全てM2ネジでリアリティーを出すことに専念しました。
いかがですか、FS-50。図体は小粒なのですがスケールを入れないと結構大きな望遠鏡のように見えるのではないでしょうか・・・。これでワタナベさん、笑ってくれるかな???
最後に、この鏡筒を2本、目幅調整できるように接合すれば完成です。
目幅調整はアルミスライダーで作ってFS-50双眼望遠鏡の完成です。
いかがですか。鏡筒単体の写真からはちょっと想像できないくらい小型の鏡筒でしょ・・・。
もちろん、正立像が見えますので真性のグレゴリー・カセグレインです。像質は??・・・・これは聞かないでください。もちろんご想像通り、予定通りのボケボケ像です。
これで完璧に目標を120%達成の自作双眼望遠鏡になりました。
それから、双眼望遠鏡をはじめて製作して判ったことが、左右鏡筒の軸あわせでは上下方向はかなりの精度で軸合わせが必要なのですが、左右方向はかなりいい加減でも大丈夫ということでした。以前に柴原さんが「双眼望遠鏡の軸合わせはそんなに大変なものではないですよ・・・」と教えてくださったことをはじめて実感できました。
FS-50マイクロスバル双眼望遠鏡、どこかの星祭りに持って行きます。見かけたら笑ってやってください・・・私にとって、それが一番嬉しいリアクションです。
2004/07/20
双眼鏡は携行するものですからコンパクトさと軽量さも光学性能や機構の信頼性と同じように重要な要素です。そんなわけでFS-50双眼の重量測定をしました。
結果は・・・上の写真のようにH-20の接眼鏡を入れて600g丁度でした。かの『双眼狂氏』に曰く、5cm双眼の平均体重は1Kgだそうで、このマイクロスバルは『おもちゃ級』の軽量さです。「軽量化のために『トラス構造』を採用した目論見が見事に当たりました・・・」などとは決していえないですが軽く製作できたことは事実です。
さて、FS-50双眼望遠鏡の見え味ですが、一応画像を撮影しました。
デジカメ標準(×1)
上の写真は私の自宅リビングから外を見たところです。200m先にセブンイレブン、約1Km先にマンションが見えています。
双眼鏡は三脚に固定ですが、デジカメは手持ちでの撮影でしたので『手ぶれ』を含んでいます。
セブンイレブンのカンバンはデジカメ3倍ズーム側で1/4秒露出、マンションの廊下照明灯は2倍ズーム側で3秒露出の条件で撮影したものです。
これらの写真から像面の平坦性や歪曲は比較的少ないことが判ります。しかも想像していた以上に高倍率です。像に締まりはありませんが比較的良質な感じがします。コントラストを低下させている原因は副鏡を支える極太のスパイダーによるもののようです。
スパイダーを改良すれば見え味はもっと良くなる可能性が見えてきましたが、当面この形態で笑っていただこうと考えています。
2004/07/30
早いものでもう７月もおしまい・・・。明日は北軽井沢観測所で数人の星仲間と『オフ会』の予定です。
今日、台風の雲間から月が顔をのぞかせていました。久しぶりに見る『天体』です。そんなわけでFS-50をカメラ三脚に付けて月の撮影をしました。カメラ手持ちのいい加減な方法ですが、FS-50の光学系の方が遥かにいい加減ですからこれで良いことにして・・・。
結果は上の写真のようになりました・・・。まあそれなりに月面の模様が写っているし、こんなものかと思います。
でもこのような写真を見ていると４０年前に近くの科学館に新設されたGOTO15cm・F15屈折にレンジカメラで苦労して写真撮影していた頃を思い出してしまいます。あの頃はいくらピント合わせをしてもいつもボケた写真しか撮れなかったことしか思い出にありません。
ところで、移動時のFS-50保護を考えてキャリングケースを用意しました。単なるアルミボックスです。これに『FS50』のロゴを入れて(もちろんペイントは『錆止め』・・・じゃなくて『ワインレッドメタリック』ですよ)、少しでも余計にスバル望遠鏡をパロれればと、蓋を開けたときにマウナケア山頂の風景が展開されるような趣向にしました。
これとFS-160、FS-200を持参して中央道方面の星まつりに参加する予定です。
2004/08/03
7/31は加藤さん、柴原さん、石田さんと北軽井沢観測所で有意義な時間を過ごしました。
今回の『北軽サミット』は宿泊、温泉、朝食付きという限定バージョンでした・・・。
サミット参加メンバー(カメラマンは私)
持ち込まれた望遠鏡はGOTOの6cm・F20(加藤さん)、GOTOの7.5cm・F15(柴原さん)、ヨシカワの15cm反射(柴原さん)、BORG7.5cm(石田さん)、それに北軽井沢観測所からは日本特殊光学のNSC-22、自作10cm・F6LLS、そしてFS-50でした。
また、石田さんは普段一堂に会することはまずないようなさまざまなタイプの接眼レンズ、加藤さんはOAT-78のために製作された75mm単レンズ接眼鏡を持って来られました。
このようなチャンスは滅多にないことなので望遠鏡や接眼レンズを肴に話がはずみました。
そして、FS-50にいろいろな接眼レンズを付けて像を見比べたところ、判りました・・・ボケボケの像の改善法が・・・。
実は、これまでFS-50で見えていた像は5cm・F1の主鏡に対して倍率が高すぎたのです。
オルソやプローセルなど並み居る高級仕様の接眼レンズよりも単レンズ長焦点の接眼レンズのほうがずっと像質もコントラストも良いことが判りました。(下の写真はFS-50を無理やり見ていただいているところを撮影した『証拠写真』です)
そこで自宅に戻って早速H-20の『目レンズ』を取り外して『視野レンズ』だけの接眼レンズを作って確認したところ、接眼の実視野は結構狭くなるものの格段に良い像が得られるようになりました。
上の写真は8/3の0:00頃の月を撮影したもので、左右の像です。いかがですか、ずいぶんコントラストが良くなったような気がしませんか・・・。コントラストの改善効果はセブンイレブンのカンバンを見るともっと良く判ります。でも、解像度そのものはほとんど変わっていないような・・・たぶん、倍率が低くなった効果と単レンズの反射面の少なさによる多重反射の減少が効果的に働いているのでしょう。
さて、これで『FS-50星祭りバージョン』が出来上がりました。
ある光学会社の試作品在庫一掃で直径50mm・F1の球面鏡を複数枚入手しました。凹球面の副鏡付です。
つくば星の会で『自作シュワルツ150mm双眼オーナー』の柴原さんにこの鏡のことをお話したら、「グレゴリーなら双眼でしょ!!」と即座に厳しい『お題』をいただいてしまいました。
確かにグレゴリー・カセグレイン式望遠鏡は普通のアイピースで正立像が得られるし、50mmならば目幅的にもギリギリ
だし、柴原さんの『お題』を覆す理由も見当たらないので双眼望遠鏡を目指すことにしました。
さて、実際に望遠鏡を自作するとなると目標設定が重要になります。もちろん、メーカー製では絶対に得られないものが最大の目標なのですが、それが『口径50mmの双眼望遠鏡』ではあまりにも平凡すぎてお粗末です。だいたいからして、50mm・F1の球面鏡なんて球面収差が大きすぎて望遠鏡として使い物になるはずがないことは最初から判っています。
そんなわけで設定した目標は『思いっきり笑ってもらえるエンタメ精神豊かな双眼望遠鏡』ということで、細部の構成を次のようなものにすることにしました。
�� 50mm・F1.0主鏡の光学性能の期待できないグレゴリー・カセ式×2本
�◆�スバル望遠鏡をパロディー化したトラス構造鏡筒
�� 本格的な主鏡移動式合焦機構
�ぁ�十分な迷光防止対策のフード類・内部塗装
�ァ．張．ぅ好汽ぅ困離▲ぅ圈璽垢砲茲詛槊┣鎚�
�Α〆童柔�の高い目幅調節機構
上の図は断面構造のイメージ図です。
この双眼望遠鏡は『最低の光学系』と『自作できる最高の機構』をコラボレーションしてみようというもので、そのギャップの大きさをいかに作るかがポイントになります。
それでは、いよいよ製作です。
材料は例によって東急ハンズを歩き回って探しました。今回入手した最高の材料は「アルミシームレス茶筒(714円)」です。鏡筒としては外径60mmのアルミパイプも購入したのですが、その後でこの茶筒を発見しました。
この茶筒、純アルミの深絞り製で同じく深絞りした蓋も付いています。これは主鏡側の胴とトップリングを作るのに格安・最高の素材です。
その他に、真鍮の50mm丸プレート、10mm銅パイプと9.5mm真鍮パイプ、アルミパイプ数種類、超小型のマイクロメーターも勢いで購入しました。
主鏡移動機構は10mm銅パイプ(肉厚0.2mm)の内側に9.5mmの真鍮パイプが丁度ピッタリ入って摺動させることができるので、各パイプを50mmの真鍮丸プレートの中心部に接合(半田付け)して完成しました。主鏡側の胴の後に取り付ける接眼部は外径28mm、内径25mmのアルミパイプで製作し、茶筒にはアルミロウ付けすることにしました。
上の写真は主鏡移動機構とそのユニットを茶筒内部に取り付けたところです。この方式で主鏡はガタもなく
極めてスムースに『微動』してくれます。マイクロメーターは押しネジなので引き側をどのように達成するか
が次の課題です。
ハワイのスバル望遠鏡には主鏡の歪をアクティブ制御するアクチュエーターが付いています。これをモデル
にしない手はないと思い、主鏡移動機構の引き側は『アクチュエーターもどき』にすることに･･･。これも2つ
のパイプの入れ子構造になっていて、内部には引きバネを埋め込みましたので正にアクチュエーターそのもの
です。
写真はアルミパイプを茶筒にロウ付けしたところの拡大です。
トップリングは茶筒の蓋から4本スパイダーもどきを切り出しました。一体物なので結構丈夫です。これにプリント基盤用のM4スペーサーを取り付けて出来上がり・・・・これを手作業で切り出すのは結構大変でした・・・・。
副鏡は直径9.5mm、極小です。最初のイメージ図のように、グレゴリー・カセは副鏡のフードを思い切り長く作れることが判りました。これは迷光防止対策を副鏡セル側でできるということを示しています。そこで、中心部の光量を多少犠牲にすることにして副鏡セルを外形16mmのアルミパイプで製作しました。
それにしても、小指サイズの副鏡セルです。
各ユニットが完成したところで鏡筒に塗装をしました。フェラーリカラーがちょっと気に入っているので近くのDIY店からワインレッドメタリック塗料を購入してきました。でも塗装したら・・・錆止め塗料と間違えそうな・・・イヤイヤ、ワインレッドメタリックです!!
そして、直径4mmのアルミ丸棒の一部を削って接合面を造り、いよいよトラス構造を作りました。接合は全てM2ネジでリアリティーを出すことに専念しました。
いかがですか、FS-50。図体は小粒なのですがスケールを入れないと結構大きな望遠鏡のように見えるのではないでしょうか・・・。これでワタナベさん、笑ってくれるかな???
最後に、この鏡筒を2本、目幅調整できるように接合すれば完成です。
目幅調整はアルミスライダーで作ってFS-50双眼望遠鏡の完成です。
いかがですか。鏡筒単体の写真からはちょっと想像できないくらい小型の鏡筒でしょ・・・。
もちろん、正立像が見えますので真性のグレゴリー・カセグレインです。像質は??・・・・これは聞かないでください。もちろんご想像通り、予定通りのボケボケ像です。
これで完璧に目標を120%達成の自作双眼望遠鏡になりました。
それから、双眼望遠鏡をはじめて製作して判ったことが、左右鏡筒の軸あわせでは上下方向はかなりの精度で軸合わせが必要なのですが、左右方向はかなりいい加減でも大丈夫ということでした。以前に柴原さんが「双眼望遠鏡の軸合わせはそんなに大変なものではないですよ・・・」と教えてくださったことをはじめて実感できました。
FS-50マイクロスバル双眼望遠鏡、どこかの星祭りに持って行きます。見かけたら笑ってやってください・・・私にとって、それが一番嬉しいリアクションです。
2004/07/20
双眼鏡は携行するものですからコンパクトさと軽量さも光学性能や機構の信頼性と同じように重要な要素です。そんなわけでFS-50双眼の重量測定をしました。
結果は・・・上の写真のようにH-20の接眼鏡を入れて600g丁度でした。かの『双眼狂氏』に曰く、5cm双眼の平均体重は1Kgだそうで、このマイクロスバルは『おもちゃ級』の軽量さです。「軽量化のために『トラス構造』を採用した目論見が見事に当たりました・・・」などとは決していえないですが軽く製作できたことは事実です。
さて、FS-50双眼望遠鏡の見え味ですが、一応画像を撮影しました。
デジカメ標準(×1)上の写真は私の自宅リビングから外を見たところです。200m先にセブンイレブン、約1Km先にマンションが見えています。
双眼鏡は三脚に固定ですが、デジカメは手持ちでの撮影でしたので『手ぶれ』を含んでいます。
セブンイレブンのカンバンはデジカメ3倍ズーム側で1/4秒露出、マンションの廊下照明灯は2倍ズーム側で3秒露出の条件で撮影したものです。
これらの写真から像面の平坦性や歪曲は比較的少ないことが判ります。しかも想像していた以上に高倍率です。像に締まりはありませんが比較的良質な感じがします。コントラストを低下させている原因は副鏡を支える極太のスパイダーによるもののようです。
スパイダーを改良すれば見え味はもっと良くなる可能性が見えてきましたが、当面この形態で笑っていただこうと考えています。
2004/07/30
早いものでもう７月もおしまい・・・。明日は北軽井沢観測所で数人の星仲間と『オフ会』の予定です。
今日、台風の雲間から月が顔をのぞかせていました。久しぶりに見る『天体』です。そんなわけでFS-50をカメラ三脚に付けて月の撮影をしました。カメラ手持ちのいい加減な方法ですが、FS-50の光学系の方が遥かにいい加減ですからこれで良いことにして・・・。
結果は上の写真のようになりました・・・。まあそれなりに月面の模様が写っているし、こんなものかと思います。
でもこのような写真を見ていると４０年前に近くの科学館に新設されたGOTO15cm・F15屈折にレンジカメラで苦労して写真撮影していた頃を思い出してしまいます。あの頃はいくらピント合わせをしてもいつもボケた写真しか撮れなかったことしか思い出にありません。
ところで、移動時のFS-50保護を考えてキャリングケースを用意しました。単なるアルミボックスです。これに『FS50』のロゴを入れて(もちろんペイントは『錆止め』・・・じゃなくて『ワインレッドメタリック』ですよ)、少しでも余計にスバル望遠鏡をパロれればと、蓋を開けたときにマウナケア山頂の風景が展開されるような趣向にしました。
これとFS-160、FS-200を持参して中央道方面の星まつりに参加する予定です。
2004/08/03
7/31は加藤さん、柴原さん、石田さんと北軽井沢観測所で有意義な時間を過ごしました。
今回の『北軽サミット』は宿泊、温泉、朝食付きという限定バージョンでした・・・。
サミット参加メンバー(カメラマンは私)持ち込まれた望遠鏡はGOTOの6cm・F20(加藤さん)、GOTOの7.5cm・F15(柴原さん)、ヨシカワの15cm反射(柴原さん)、BORG7.5cm(石田さん)、それに北軽井沢観測所からは日本特殊光学のNSC-22、自作10cm・F6LLS、そしてFS-50でした。
また、石田さんは普段一堂に会することはまずないようなさまざまなタイプの接眼レンズ、加藤さんはOAT-78のために製作された75mm単レンズ接眼鏡を持って来られました。
このようなチャンスは滅多にないことなので望遠鏡や接眼レンズを肴に話がはずみました。
そして、FS-50にいろいろな接眼レンズを付けて像を見比べたところ、判りました・・・ボケボケの像の改善法が・・・。
実は、これまでFS-50で見えていた像は5cm・F1の主鏡に対して倍率が高すぎたのです。
オルソやプローセルなど並み居る高級仕様の接眼レンズよりも単レンズ長焦点の接眼レンズのほうがずっと像質もコントラストも良いことが判りました。(下の写真はFS-50を無理やり見ていただいているところを撮影した『証拠写真』です)
そこで自宅に戻って早速H-20の『目レンズ』を取り外して『視野レンズ』だけの接眼レンズを作って確認したところ、接眼の実視野は結構狭くなるものの格段に良い像が得られるようになりました。
上の写真は8/3の0:00頃の月を撮影したもので、左右の像です。いかがですか、ずいぶんコントラストが良くなったような気がしませんか・・・。コントラストの改善効果はセブンイレブンのカンバンを見るともっと良く判ります。でも、解像度そのものはほとんど変わっていないような・・・たぶん、倍率が低くなった効果と単レンズの反射面の少なさによる多重反射の減少が効果的に働いているのでしょう。
さて、これで『FS-50星祭りバージョン』が出来上がりました。