CCDカメラの機能や性能は日々進化を遂げていますね。私も銀塩から1眼レフデジカメまでいろい ろなカメラを持っています。もちろんWeb Cameraも持っていたことは持っていたのですが、仕様が古く、いよいよということで新しいものに取り替えることにしました。きっかけは、鏡面研磨の フーコーテスタの『目』を確保するためです。

 でも、せっかく新しいWeb Cameraを購入するのですからフーコーテスタの目だけではなくて広く天文ライフに応用可能な形のものでなければ・・・。



 購入したのはLogiticのQV-700Nです。このカメラはSony製のCCDが付いたToUcam Proと並んで高画質が期待できるもので、多くのアマチュア天文家が写真用として利用されているものです。
上の写真 のようにノート用で大変に小型軽量で、もちろんUSBでPCと接続することになります。価格は秋葉原の専門店で 9000円位でした。

 これを、以前に製作したことがある
ビデオカメラ(自 作ビデオカメラの紹介)の要領で レンズ交換式の惑星撮影ができるCCDカメラに改造することにしました。

 改造のポイントは次のような点です。

1) レンズ交換式とする
2) 持ち運びでの信頼性を向上させる
3) ノイズ対策を万全にする
4) 手元で露出ができるようにする

 ここで、CCDカメラのレンズ交換方法として最も汎用性が高い方式がCマウントの採用でしょう。Cマウントであればさまざまな市販のCCDカメラレンズ も使うことができるし、C/Tマウントアダプタを介してカメラレンズを取り付けたりTマウントで望遠鏡に接続もできるでしょう。
 そして、万全なノイズ対策と持ち運びの信頼性向上を一度に両立させてしまう方法がアルミダイキャストボックスの採用です。

 

 今回はタカチ製のダイキャストボックスを用いることにしました。そして、秋葉原のアヤシそうな防犯用CCDカメラ店から『C/CS変換リング』を2個購 入しました。そのほかにもミニチュアイヤホンジャック(オス・メス)とUSBケーブル用6Pコネクタ(オス・メス)、それに比較的柔軟なケーブルの付いた USBケーブル(1.8m)を購入しました。
 コネクタ類はできるだけ密封性の良いものを選択しました。また、USBケーブルで柔軟なものはなかなかないのですが、片側にUSB-B型ハーフピッチコ ネクタの付いているものを探すと比較的細径で柔軟なものが見つかります。
 
 それでは先ず、ダイキャスト筐体にレンズを取り付けるための加工をします。

   

 2個のC/CS変換リングのうち1個のCマウントネジの部分を切り捨てます。そして、ダイキャスト筐体に直径25mm のホールソーで穴を開け、そこに表側から加工していない変換リングを差込み、裏側からCマウントネジを切り捨てたリ ングで締め込み、固定します。これでレンズマウントは完成です。



 次にQV-700Nの基板から不要な部品を外します。外すのはカメラ本体シャッター用のミニプッシュSWと通信確認表示用LED、それ にコンデンサマイクロフォンです。
 ミニプッシュSWとLEDは外したら基板のランドに延長用の配線(長さ10cm位)を半田付けしておきます。星用と割り切るとマイクロフォンは不必要と 思われます。(筐体はできるだけエアタイト構造が好ましいので『不要な穴』は開けたくありません)

 そしてミニチュアコネクタから伸びているUSBケーブルをこれまた10cm位のところで切ってしまい、端末処理をして6P
メ スコネクタに半田付けします。そしてもう一方のオスコネクタを柔軟性の高い 1.8mのUSBケーブルの一方のUSBコネクタ近くで切断して接続します。 ケーブルは赤、白、黒、緑、それにシールド線の5本なので別のケーブルに替えても間違えることはないでしょう。



 CCDは基板に直接付いていて、迷光防止とオリジナルのレンズの合焦用ネジを兼ねたプラスチック ブラケットが被せてありますので遮光用としてこれはそのまま利用します。そして、基板をダイキャスト筐体に止めるためのプレート(M2ネジの通る4つの穴 を開けたもの)を製作してブラケットについている2本のM2ネジで結合します(ブラケットの取り付け穴を加工してタッピングビスからM2ネジに交換しまし た)。
 その後、基板と取り付け用のプレートの付いたユニットをダイキャスト筐体に立てた4本のM2ネジに取り付け、固定すればOKです。

 ダイキャスト筐体の中身はだいたい次の図のように納めてあります。



 ここで経験的に、ねじを切り落としたC/CS変換リングに1mm厚のプレートを介してブラケットを固定するとだいたいCマウントと同じフランジバックに なることが判っています。実際には4本のM2ネジでプレートの高さを微調整してカメラレンズの無限遠ポジションで合焦するようにします。

   

 上の写真は通信表示用のLED、USBコネクタなど全ての配線が完了したWeb Cameraの裏側です。



 そして、最終的には上の写真のようになりました。カメラの上方にあるケーブルはシャッターケーブルで、先端にはプッシュSWが付いてい ます。このようにすることで、一眼レフカメラやデジカメの電子レリーズと同じ感覚でシャッターを切ることができるので使いやすさは抜群です。もちろんPC 側のソフトウエアからの制御でシャッターを切ることもできます。
 また、左側のケーブルがUSBケーブルです。比較的柔軟なケーブルに変更したので望遠鏡にカメラを取り付けたときに取り回しや合焦作業の邪魔になること はないでしょう。

 

 このカメラをフーコーテスタに載せたのが上の写真です。レンズはNikon 50mm・F1.8が付いています。F10のミラーの計測には焦点距離50mm位が適当ですよということをMさんに教えていただきましたが、正にそのとお りで、画面いっぱいに鏡面が映し出されたのでありました。


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