秋の夜空、なんだか星の数が少なくありません?
そうなんです、実際に見える星の数が夏の空や冬の空と比べるとずっと少ないんですよ。これにはちゃんと天文学的な根拠があるんです。
夏の星空案内で天の川のこと、少しだけ話題にしましたけれども、「天の川」、太陽のような恒星が1000億個も集まってできた私たちの「銀河」なのです。
「銀河」については学校の教科書で少し習ったと思うのですけれども、中心の膨らんだ円盤のような格好の星の集まりで、私たちの太陽系は中心よりも円盤上のかなり外側にいるのです。
そしてちょうど銀河の中心の方が夏の星空、反対の縁の方が冬の星空ということになっていて、秋と春の星空は銀河の円盤に垂直な方向なのです。「銀河」って星の集まりですから、夏と冬の星空には星がいっぱいっていうことになるのですね。
さて、秋の星空、寂しい替わりに邪魔な星が少ないので遠くまで見渡せるチャンスなのですよ。えっ、遠くって? 私たちの「銀河」の外の世界を見ることができるのです。
秋の北の空高くカシオペア座のW型がひときわ目に付きます。そして天頂付近には秋の空の中ではかなり目立つ大きな四辺形がすぐに見つかるはずです。この四辺形がペガスス(天馬)座で、その四辺形のもっともカシオペア寄りの星から三つ同じような明るさの星が東に並んでいます。
この三つの星がアンドロメダ座で、真ん中の星からカシオペア方向に二つ目の星のあたりにボーッとした雲のようなかたまりが見えるでしょうか? これがお隣の「銀河」、アンドロメダ銀河M31なのです。
カシオペア座の中を秋の天の川がうっすらと通っているのですが、これが見えるような場所でないとちょっと厳しいかもしれません。
そして、アンドロメダ座の真ん中の星をはさんでアンドロメダ銀河と対象の位置にもうひとつのお隣さん、三角座のM33があります。
どちらの銀河も空の比較的暗い場所ならば双眼鏡で確認できます。
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